定時に2秒、5分過ぎた時点から一晩中「くもりガラスを爪で引っかく音」を流せばいい。10分を過ぎた時点から、ドルビーシステムで肺腑をえぐるような「くもりガラスを爪で引っかく振動」を体に与えればいい。
残業?とんでもない!
定時の5分前になると、みんなそわそわ。定時になると我さきに部屋を飛び出しエレベータへ突進だ!エレベーターの前は阿鼻叫喚の地獄図。「階段にまわれ!階段にまわれ!」腕章をした(残業規制委員)が、ラウドスピーカーで声を枯らす。
3分過ぎ、エレベーターは上層から満員で降りてくるため扉が開かない。地団駄足踏みする群集のため、フロアがうねる。階段にまわった人たちも無事ではいられない。足を踏み外して上から転げて落ちてくる人で将棋倒しがあちこちに発生。「担架はどこだ!」「助けてください!」「AEDはどこだ!」絶叫あれど、だれも見向きもしないで倒れた人の横を駆け抜けていく。
4分過ぎ。「非常用シューターの使用承認がおりたぞー!シューターを使え!」(残業規制委員)は、もはや突き当たる人々の中ヘルメットも吹き飛び、マイクも失い、声の限り。しかし、委員も最後の一声「もはやこれまで!」を後に残してシューターに突進。ひとけの無くなったエレベーターホールには倒れた人々のうめき声だけが空ろに響く。足が動かないのか、這って進む人もやがて力尽きる。
そして、5分過ぎ。
無音ヘッドフォンと防護服に身を固めた(労災認定委員)の青い服が出動。
我ながら走馬灯のように巡るイメージの、あまりの恐ろしさに身がすくむ。恐るべし残業規制。そこまでして残業を防止。あまりにも人もなげな発想…と思いながら、、、、そして、見出しを開くと、「退庁促す癒しのメロディー、残業代抑制へ大阪市が奇策」
はあ?
癒しのメロディー?なんじゃそりゃ?それと見出しの「残業防止に帰りたくなる音楽」と何の関係があるんだろう。
以下引用「職員の残業代だけで昨年度、80億円以上を支給した大阪市が、家庭の暖かさを想起させる「癒しの音楽」で早期退庁を促している。(引用おわり)癒しの音楽とは、世界の民謡・童謡らしい。
おおおお、お、大阪市!やる気あるのかあああああああ!!!!!!
童謡ぐらいで帰るか、んなもん。どこが奇策じゃあ!おまえらの奇策は童謡か?まあ私は驚いたから奇策といえばいえんこともない。
奇策というのはなあ、「くもりガラスに爪」に決まっているだろう。それに、ドルビーシステムで、ガラスの音で肺腑をえぐれ!!もちろん泥棒防止効果もあるぞ!
もちろん、退庁だけじゃなくて退職も促すことにも繋がるので、奇策強化委員のNAOKIは、当然、その2も用意している。
大阪市!私を雇ってくれてもいいぞ。
