メッカといえば、説明不要。世界中から大勢の人が巡礼に集まる、あのメッカです。
例えば、Destination誌にのっていた、ジェッダでお洒落な映画をテーマにしたカフェを開いた、このお洒落なサウジ人兄弟。

名字がMakki(メッカ出身という意味)というぐらいですから、本当にメッカっ子なんでしょうが、顔立ちが東南アジアっぽいです。おそらく昔マラッカあたりから来た巡礼関係者の子孫なんでしょう。こういう、いわゆるアラブ人ぽくない顔立ちのサウジ人はジェッダに多いです。さすがは、1400年の巡礼の門前町です。
いわゆる巡礼関係者には2種類あって、1つがまるっきりの巡礼者が、メッカに居残ってしまう場合と、2つ目が巡礼関係の商館関係者(今で言う、領事館、通商斡旋所(ジェトロみたいな役目)と、さまざまな仕事の商人と駐在員の一群)とトラベルエージェント(旅行の他に旅行為替もやる。今で言うとアメリカンエクスプレスとかトーマスクックとか)の人たちです。
特に商館関係者は、もう国許には帰らなくて世襲で商館業務をやっていた場合も多いです。幕末のトーマス・グラバーとかああいった商館をたてた人が、世代を超えて商館を守るみたいなもんです。こんな土地柄、ジェッダでは大商人になるのが夢!というサウジの若い人が多いです。
それがサウジ最大の商業・貿易港の原動力です。
そういえば、伊勢神宮の門前町から商人になった人たちが江戸で店舗を構え、江戸名物「町をあるけば伊勢屋にあたる」とうぐらいになりました。巡礼の門前町気質というのは洋の東西を問わないんでしょうね。
本当に素晴らしいと思うのは、ジェッダで人種差別の見当たらないこと。200年ちょっとのアメリカより、1400年の名だたるメッカの門前町!毎年ハッジ月の3日間だけで100万人以上外国から来るわけですから、人種のるつぼすぎて、差別のしようもありません。だれも肌の色で差別しません。アメリカのマルコムXがメッカ巡礼で人生を変えたわけです。
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