海外で暮らしていると2重旅券どころか、3重旅券、いや4つのパスポートを持っている人を見ることができます。
誰がどこの国籍なのか?というのはアラブでは流行んないことです。あまりにも国家への帰属意識が薄かったので、むりやりナショナリズムを高揚させたのが20世紀のアラブ政治でした。
両親とも日本人だけどアメリカ勤務中に生まれたのでアメリカ国籍をもっているが、日本しか知らないし日本語しか話せないアメリカ人を何人も知っています。逆に日本語を全くしらない、両親が日本人のアメリカ人も多いです。さらに、日本生まれで日本語しかしらない非日本人も多いのです。
中国残留孤児として日本に住む日本に帰化した日本人は?もともと日本人だけど、戸籍上日本人になってなかったのが、戸籍が復活され日本人となった人も多いです。ペルーのフジモリ元大統領も亡命時に日本の戸籍を作ってもらいました。私の友人のブラジル人のパスポートを見ると、日本へのビザにas spouse child of Japaneseとあるので申請すると日本人の戸籍がもらえるかもしれません。
東京都の結婚申請の4通に1つは国際結婚だということです。いまどき、もう国籍だの気のせいみたいなものです。本人の帰属意識はそれそれでしょうし、悩ましいところもあるでしょう。
日産のカルロス・ゴーンさんは、アルゼンチンで育ち、フランスのルノー(ニッサン)で働いています。帰属意識としてはパスポートのアルゼンチンではなく、移民の両親のレバノン人意識が強いと聞いています。こればかりは本人に聞かないとよくわからないでしょうし、本人にしても、実のところよくわかってなかったり(日によってかわる)する可能性もあります。
それで、他人にとっては誰がどの国籍か取り立てるほどの意味はありません。日本は戸籍があるのですが、これは世界でも数カ国しかない珍しい習慣ですだと聞いています。世界では戸籍の無い国ばかりで、外国に行くときに旅券をとって、初めて国籍が公にされることもあります。パスポートなんて、その名のとおり旅行のときの身分証明書であって、だからなんだと私は思っています。
必要なのは、その人のひととなりです。個人として尊重される人、理論的に正しくなければ国際社会では評価されません。前のオリンピックの記事で書きましたが、オバマ大統領ほどの人柄と肩書きの重みをもってしても、理論的にそぐわなければオリンピックの開催地にはなれないということです。
こんな世の中なのに、フジテレビ長谷川某の特殊なムラ理論では、日本から一歩外にでたとたん、国際ビジネスにおいては無意味なミンチになってしまうでしょう。34歳にもなって…。
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2009年10月04日
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