今日の毎日新聞に市川記者の記事が載っていました。
野宿者:東京都の人数、過去最少?「調査甘い」と疑問の声
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091031k0000e040063000c.html
野宿者とはホームレスのことだと思います。
2008年秋から2009年にかけて、「年越し派遣村」「ネットカフェ難民」の話題もあり、ホームレス関連の話題は例年以上で、それだけこのは深刻な問題でした。
が、東京都の発表?どう考えても東京23区のホームレスがこの6年減り続けたとは思えません。記事の中にある東京都が発表した「21日「23区内の野宿者は2499人で昨年夏から146人減り調査開始以来最も少なかった。施策の成果が出た」と発表した。」のはわが目を疑いたくなります。公園や河川敷のホームレスを目視で数えた結果ということですが、つまり公園や河川敷以外にホームレスは所在を分散した(ネットカフェとかファーストフードとか、もっと食料のある街中に)結果だとは思いませんか?
例年と同じ方法(公園と河川敷)でホームレス数を観察しないと比較ができない…なるほど…と思ってられません。ホームレスといえども足があるのですから、同じ環境にずっといるとは限りません。より住みやすいところがあれば環境を変えるのは当然です。驚くべき「実態調査」もあったものです。それに東京都は公園や河川敷からホームレスを不法占拠ということで追い出していたはずだと思いますが(それの良し悪しはここでは問いませんが)、追い出されたホームレスの行方には関心なく、東京都管理物件(公園とか河川敷)から姿を消させればそれで良しとして、追い出して後「ホームレスが減った」と公表する施策とは、実態調査でもなんでもなく、「追い出し効果」の調査と言うべきです。
市川記者の記事には、食事提供時の人数カウントが実態を把握しやすいとありますが、そのとおりです。例えは悪いですが、バードウォッチング(例えば白鳥)でも、例年決めたねぐらに何匹集まっているかで個体数を調べるのでなく、水辺なり餌場なりに何匹集まったかで調べているはずです。風向きや温度で、ねぐらを変えるなんて当たりまえです。白鳥に「例年調べているから、風向きや環境が変わっても同じ場所で寝るように」なんてナンセンスです。
なんだか、たまりません。
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2009年10月31日
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