このタイトルは、ほんとうに重いです。
実際のところ、私にも重さが良くわかっているわけでもありませんし、実態をよく知っているわけでもありません。もちろん、解決方法はいくつかあるのですが、それを実現化する取り組みに共感しているものの実際に何かしているわけではありません。ここまでくると「じゃあ、えらそうに言うな」「知らない人が出る幕じゃない」と言われてもしかたないのですが、これからも何とか考えて行きたいと思います。
最初にあげた「てのはし」支援者のブログを読んでも、千差万別のホームレスの中でも「障がい者」の置かれている立場はほとんど一般に理解されていません。そのなかでも先天的、あるいは後天的な精神疾患者には福祉によって救済される資格を持ちながら、本人に「福祉」という概念が理解できないので路上生活を余儀なくされている方がもっとも辛いケースのように思います。福祉を利用するためには事務所窓口で申請書を記入・提出する必要があるのですが、それが障がいのためできないのです。
無理心中図った男に懲役7年判決 「ほかにも取るべき手段あった」
2009.2.4 15:45
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/saitama/090204/stm0902041545006-n1.htm
(以下引用)「このニュースのトピックス:さいたま傍聴記
埼玉県川越市の自宅で平成20年9月10日、長男=当時(27)=の知的障害を苦に無理心中を図り、長男と妻=同(53)=を殺害したとして、殺人と承諾殺人の罪に問われた無職、福島忠被告(57)の判決公判が4日、さいたま地裁で開かれた。若園敦雄裁判長は「重く尊い命を軽んじており、強い非難に値する」として、懲役7年(求刑懲役10年)を言い渡した。(中略) 判決言い渡し後、若園裁判長は「今のあなたには届かないかもしれないが、有意義な人生を送ってほしい」と説諭した。」(引用おわり)
「障害、無理心中」というワードでインターネット検索すると多くの事例を知ることができます。どの事例も気が重いです。解決のひとつとして親が障がいを持った子をあるがままに理解する、同じ境遇の親同士知り合う、助け合うサークルに入る…、いろいろなケースを説明しているHPもありました。でも、「それはわかった。でも、私が死んだら、この子はどうなるの」という質問への回答は見当たりません。
社会不適合とされホームレスに追いやられてしまう精神疾患者がいる現実と、わが子の将来を悲観して無理心中をはかる親。辛い合わせ鏡です。上の記事の裁判官は「(無理心中の)ほかにも取るべき手段があった」…、言うのは簡単だし、それはそのとおりだと思うけど、何が手段なのか教えて欲しいです。
自立支援法施行を前に障害持つ娘と無理心中の母“利用料払えない”
福岡地裁初公判
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-05-26/2006052615_01_0.html
(以下引用)「(前略)昨年暮れ「死んだら楽になる」と長女に漏らすようになっていた母親は、さらに自殺願望を強めるようになりました。事件三日前には「一緒に死のう」と長女に電話。長女の説得で思いとどまりますが、事件当日「自分だけ死んだら二女が満足な介護を受けられず不幸にしてしまう」と二女を殺害して自殺することを決意しました。「ごめんね、ごめんね、一緒に死のう」と言いながら二女の首を絞めて殺し、自らも両手首を切り腹部を包丁で刺しました。
初公判の被告人尋問で母親は「今年に入って体が動かなくなった」と何回も繰り返しました。母親は股(こ)関節に障害があり自身も障害四級を認定されています。」(引用終わり)
誰にとっても悲しいし、本当に辛いです。私はどんな場合でも自殺や無理心中は容認できません。「他にもとるべき手段があった」はずです。が、じゃあ、どうすればいいのか、裁判官でなく、私自身に問いかけても空虚な回答しかでません。
個人と社会の意識変革と公的なサポートだけが解決です。
そのためには、解決が思いつかなくても決して問題から目をそむけない態度が必要だと思います。
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2009年11月01日
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