The Redang Telegraph

2010年05月19日

昭和?そんなに美しかったっけ?

「楽天 みんなで解決! Q&A」で見つけました。

高校2年の者なのですが、今の時代の流行のものの良さが全く分かりません歌にしても、昭和の歌は歌詞にきちんとした意味を持っているのに対し、今の物は乗りだけで売っている物が多くて・・・歌詞も聴き取れないような物が多くて・・・
ファッションにしても人気な芸能人にしても全く共感できません・・・
昭和の和やかで温かい雰囲気に戻って欲しいです・・・
皆様のご意見お聞かせ下さい^^
 http://qanda.rakuten.ne.jp/qa5868696.html

へー、いまどきの高校生って思いっきり勘違いしているんだ。

昭和の和やかで温かい雰囲気に戻って欲しいです

昭和元年から昭和20年の敗戦の日まで、戦争、戦争、戦争に明け暮れたくらい時代でした。この時を暮らした子供達は、戦争がない時代を全くしりません。人を殺せと教えられた時代です。大正デモクラシーを知っている世代にとっては、時代を逆行したつらい時代だったはずです。

人が殺し、人に殺され、戦争は成り立ちます。そしてそれを賛美していた時代です。家族が殺されても「名誉」とされました。そんなものに納得できない人がほとんどでしたが、気持ちのままを表すと警察につれていかれるので、こらえるしかありません。人を人として扱わない時代です。拷問の最盛期です。

敗戦から高度成長時代までは、生きるのに必死で、生活向上に必死で、大きな公害問題はこの時期に集中し、環境は荒れ果て、川という川はドブになり、農薬が拍手をもって迎え入れられた時代です。今の環境問題の多くは、この時期の負の遺産をどれだけ回復するかという作業です。

投稿者の高校生と同じ年頃の高度成長以降の時代。受験戦争、交通戦争、落ちこぼれ、今で言う家庭内暴力(当時は当然だったのでそういう言葉はなかった)、なんでも「xx戦争」と付くぐらい生きるか死ぬかの大変なストレスを負わされた。しかも、高卒で社会にでるのはあたりまえ。

昭和の最後の時期は、物質欲と3高がもてはやされ、お金がないとどうにもならなかった。いまは昔だけど、日本人がパリでブランド品をあさって顰蹙をかったりした遠い思い出。

どこに、「昭和の和やかで温かい雰囲気に戻って欲しいです」っていうほどのものがあったのか、わかりません。

もちろん、日本史のどの時代でも「和やかで暖かい」家庭や社会は存在しています。しかし、和やかで温かいのは、今のほうがよほど普遍的です。苦しさを教訓に社会は成長しているのです。

現実を忘れるための音楽や、ドラマや、漫画を、ひょっとして現実を間違えているのでしょう。懐古主義者の与太ごとをまともに信じてはいけません。辛いことは全部わすれて、楽しいことを覚えているのは、自我を守るための人の心理的防衛本能なのです。
(それぐらい高校生なら学ぶはずなんだけどなあ)


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