The Redang Telegraph

2010年06月19日

「閉塞感」の作り方

一昔前、「KY:空気読めない」という言葉が流行りました。

この言葉が流行るような世間では、意見の多様性などありません。多様性の無いところに、社会の活力も生まれてこないです。「閉塞感」というキーワードが今の日本に漂っていますが、自分達でKYと言って閉塞感をわざわざ作り出しているのに、なーにを言っているんだろう。

世の中の「閉塞感」なんて、勝手に湧いて出るものじゃありません。個人個人が日々、丁寧に「閉塞感」を作り出しているのです。もちろん、閉塞感のクオリティをキープするためのメンテナンスにも余念がありません。そして、仕上げは「世の中は閉塞感で満ちている、生きにくい世の中だ」と嘆いてみせることです。

他人を差別している人の多くは、まったく差別を意識していません。いや、むしろ「この世には人を差別する人が多すぎる」と真剣に思っていたりします。

人は語る言葉を多く持っていません。気にかかっていることは、実は自分の行為の中に種がある「矛盾」から生まれていることかもしれません。何かが不満であれば、実は不満の源が自分であることを疑うのもいいかもしれませんね。

多様性の無い社会に未来はありません。KYなど精神的な死です。空気を読むということで、全体の中に個を殺して周囲に迎合する…のは全体主義の第一歩です。一人ひとりが無二の存在であること(ユニークさ)は、その人の存在意味そのものなのですが、日本語のユニークには、かけらもそんな意味がないですね。

閉塞感の作り方、、とっても簡単です。

圧力をかけて「COVE」の上映中止が相次いでいるようです。他人の意見に耳を貸さないという生き方を本人がするのは自由ですが、それを他人に押し付けてどうするんだろう。

大人であれば、理解は自分でするものです。映画を見たから、流されるのもつまんないし、映画を人に見させないようにするのはさらにつまらないことです。まあ、人間というものは「自分でじっくり考える」という、あるべき姿に理解の無い人は、「プロパガンダとは、あれば否応なく?簡単に?乗るもの」と思ってるんでしょうね。

「COVE」の上演を反対する人たちも、人にあれこれ「するな!」といって、閉塞感を作り出すのが好きな人で、ついでに「ああ、世の中は外国からの圧力と閉塞感で満ちている」とため息をつくのでしょうね。自分だって他者に圧力をかけているのに。自業自得です。

この記事へのコメント
>圧力をかけて「COVE」の上映中止が相次いでいるようです。他人の意見に耳を貸さないという生き方を本人がするのは自由ですが、それを他人に押し付けてどうするんだろう。

「他人に押し付け」を理由にするなら、まず反捕鯨側こそ鯨食・イルカ食禁止を押し付けている現実をどうしてスルーするのでしょうかねあなたは。

>多様性の無い社会に未来はありません

ふ〜ん
あなた的には鯨食・イルカ食の自由は多様性に含まれないのですか?
鯨食・イルカ食を禁止しようとする側をこのブログで批判するのを見た事ないのですがね。

>他人を差別している人の多くは、まったく差別を意識していません。いや、むしろ「この世には人を差別する人が多すぎる」と真剣に思っていたりします。

そうですね。
鯨食を禁止しようと企んでいる人は、自分が鯨食差別を行ってるとはまるで自覚がないのでしょう。

>「COVE」の上演を反対する人たちも、人にあれこれ「するな!」といって、閉塞感を作り出すのが好きな人で、ついでに「ああ、世の中は外国からの圧力と閉塞感で満ちている」とため息をつくのでしょうね。

もちろん鯨食・イルカ食に反対する人たちも、人にあれこれ「するな!」といって、閉塞感を作り出すのが好きな人で、ついでに「ああ、世の中は無理解と閉塞感で満ちている」とため息をつくのでしょうね。
Posted by 楡 at 2011年02月16日 04:48
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