The Redang Telegraph

2010年10月20日

マスゴミって言うな! 1

日本の留守宅では、新聞購読をやめてしまったので朝はちょっと手元が寂しかったですが、まあ時代の流れでしょう。新聞をやめることで紙資源の保護とリサイクルの手間を省く目的もあったそうですが、今は本当に新聞購読をやめても困らない世の中になってきました。

で、驚いたのがこっちの広告。
「新聞協会加盟103紙がキャンペーン広告を一斉掲載」
http://www.pressnet.or.jp/news/pickup/100827_691.html

(引用はじめ)日本新聞協会の全加盟新聞103社は8月27日、新聞協会特別企画として、紙の価値を再発見してもらう広告「紙があって、よかった。」を、北海道から沖縄県までの103紙が一斉掲載しました。協会加盟全社による同一広告の一斉掲載は初めてのことです。

この「日本を元気にする」特別企画は、新聞の媒体力と新聞広告のパワーを世の中にアピールするのがねらい。製紙会社5社を広告主とする今回は、手塚治虫の下書きと野口英世の母の手紙の2つを紹介。紙と新聞がともに持つ普遍的価値を感じてもらうことを目的としています。(引用おわり)


ちょっと待て!どうして紙の価値を再発見するのと、日本を元気にするというのの関係があるのか、全然わからない。もっとわかんないのが「野口英世の母の手紙」と「紙と新聞がともに持つ普遍的価値」のつながり。どこで手紙と新聞が繋がって普遍的なの。あ!やっとわかった両方とも紙に書かれてある。って?本当に?そのレベルの普遍性なんだ。すごすぎる。

もっとも8月の広告だから、この点について話題になったんだと思うけど私はこの一時帰国休暇で始めて知りました。
pickup_image_20100827_02.jpg

「紙に書いた想いはその人の声になって届く」
そうですか?

強い想いの、じゃがたらお春の「じゃがたら文」は有名ですが、紙に書かれていたという記憶はないです。書かれたのは梱包用の布か何かじゃなかったでしたっけ?じゃがたらお春についてWikiの紹介(あんまり、大した内容ではないです。関心ひくいんでしょうね)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%8C%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%8A%E6%98%A5
もっとも、じゃがたら文そのものについては異論は多いようです。
下は「じゃかるた新聞」です。
http://www.jakartashimbun.com/pages/20010907top.html

古代エジプトではパピルス、メソポタミアでは粘土板。サウジで言うとイスラームの預言者ムハンマドのメッセージは皮羊紙でしたし、日本も昔、平城京や平安京の時代に活躍したのは竹簡や木簡じゃなかったでしたっけ?昔の寺院を改修するとき、落書きや文が柱や仏像内部から見つかることも多いです。「紙に書いた想いはその人の声になって届く」ですって?最初の「紙に」が無くても文脈上全然困りません。「紙に」がないと困るのは広告主の製紙5社だけです。でも、この広告のレベルの低さは驚くべきです。本当に、これが新聞103社の結集したレベルなの?あー、もう終わってる。

私の留守宅のように新聞購読をやめる家庭が増えてきているのだと思いますが、てきとうなことを言うのはみっともないだけです。広告は製紙会社5社という名目をとっているものの、新聞社の言いたいことを書いているのでしょ?

ペーパーレス時代の到来…と20年前ぐらいから言われているけど、やっと最近1歩前進かな。新聞紙の購読層が離れたのは、新聞社のウェブ上のニュースが充実してきたからでしょ?自分の首をしめてるんだから、当然、新聞社の将来の進路だってちゃんと考えているはず…ですよね。そう、(一部の人たちの言うところのマスゴミ化)木鐸公器公論放棄路線ですね。

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