The Redang Telegraph

2011年06月09日

ゴミ箱モデルとやりすごし、最適見本

意思決定論の中に有名な「ゴミ箱モデル」というのがあります。Wikiによる説明は以下。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A
(引用はじめ)意思決定過程モデルの中でも、特に有名なものにゴミ箱モデルがある。それは、人、問題、解をゴミと見立て、そのゴミをゴミ箱に見立てた「意思決定機会」に入れると、意思決定機会が満ちたときに結果が出ると考えたモデルである。その特徴は、過去のモデルによる「合理的な意思決定」を捨て、「人間は合理的な意思決定ができない」という考えが前提にあることである(引用おわり)

私もちょうど必死に読んでる「日本企業の意思決定原理」(高橋伸夫先生)にもゴミ箱モデルが大きく紙面を割かれていて、さらに進んで「見過ごし」から「やり過ごし」と「無政府状態」に話がいき、とーーーっても面白いです。1997年発行の本で、意思決定論をやる人には基本図書になってます。えーっと、実は私も意思決定論を専攻に決めました。

指示をやりすごして、立ち消えになる確率を調べる!なんと面白い研究なんだろう。

日本の企業には「やり過ごし」が多くて、特に上司に起因して、やり過ごしてしまうものとして、本の箇条書きをさらに端折って書くと、

1 無能であるため、間違った内容や判断が多く、また人間性を無視した対応が多い
2 思いつきや独り言で言われているようだ
3 指示の出しっぱなしで、いつか立ち消えになる
4 指示されたことをやらなくても評価に影響がない
5 指示を実施しなくても、他もやってないといえば済む雰囲気
6 自分が実行すると摩擦が生じる


というときに、「やり過ごし」、、、まあ、今風にいうとスルーする。
で、東電幹部が注水を止めろという指示をだしたが、やり過ごした福島原発所長という話題が新聞にのってたりもします。

きっと、これは「やり過ごしの例」として、意思決定論を学ぶ将来の多くの学生にとっては、見本というか、ケーススタディの最適な例ですね。教科書的対応を、ありがとうございます。

経営学意思決定論の時間です。
「下の例は、これは上の1から6のどの分類に振り分けられるか考察せよ。(配点15点)」


http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110609k0000m040117000c.html
(引用はじめ)東電は東日本大震災で緊急停止した1号機の原子炉圧力容器への淡水の注水が3月12日に停止したため、海水注入を開始。しかし、東電側が「海水注入に首相の了解が得られていない」と官邸の意向に配慮し、本店と発電所とのテレビ会議で注入停止を合意した。

ところが、吉田所長は「事故の進展防止には原子炉への注水継続が何よりも重要」と判断し、本店に知らせずに海水注入を継続したという。(引用おわり)


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