ターイフで給油。
もう帰らないと、、帰心矢の如し。ピューーー、、というわけにはいかない。来るときにきた道を同じくたどって、一つずつ。どこでもドアがあるわけないのだ。
ターイフの山道を降りるのは大変。ずーーっとエンジンブレーキをかけたままで山を降りる。もう、エンジンがどうかなったらどうしようと気が気でない。
そして、ミナで休憩。休憩というか、もう全く気力なし。道路際にバイクを止めて知らない建物のエントランス近くまで這っていき、のびてしまった。暑い。なんて暑さなんだろう。マディーナではこんなこと全くなかったのに。マディーナは高地だからすずしいのかしらん?
プロテクター入りのライディングジャケットを脱いで荷台に縛る。転んだときの安全より熱中症にかかってふらつくほうが恐い。結果に対処するのではなく、原因を減らせばいいのだ。

ジャケットを脱いでもあんまり涼しい気もしないけど、なんとかまし。そしてひたすらメッカ市内を突き抜ける。ハラムなんて目に入らない。時計台も、もうどうでもいい。
こうして、写真を撮る気力もないままウスファーンで給油して、ただハンドルにしがみついて家に戻ってきた。ウスファーンからトワルの合流点まで断続的に砂嵐。半そでとエルボーパッドの間の腕の地肌や首に砂が突き刺さって痛い。やっぱり長袖は長袖の利点はあるものだ。
修行だ。
最後はやっぱり修行になってしまった。私はどうしても修行と縁があるのだろうか。こうして日没後、まだ残照ののこる7時半に帰着。合計14時間。
だらだら1日過ごしても14時間なら、修行をしても14時間。時間の重みが違います。
走行距離は約900キロ。地図でみるとそうでもないのだけど、給油のたびに町におりたり、メッカ市内をぐるぐる道に迷ったり、ミナからアラファトまで道がわからなかったり、ただただ距離が伸びてしまった。
給油は、家、ゴラン、ジャムーム、アラファト、ターイフ、ミナ、ウスファーン、、、あれ、数が合わないなあ。あ、ジャムームとアラファトの間でメッカで1回給油したっけ。じゃあ、合計8回。金額は24リヤル=480円なり。4千8百円でも、4万8千円でもないです。900キロで、よんひゃくはちじゅう円です。もちろん高速代は無料。
朝ごはんはエスプレッソとクレソーン(クロワッサンのこと)、昼ごはんは、りんごジュースとジャムパンとポテトチップス。ジュースやミネラルウォーターは合わせて10本は飲んだ。こういう旅って地方の名物の料理とかって日本ならありそうだね、でもサウジでは修行だし(それは私だけ)、ジャムパンで十分なのさ。
シャワーだけあびて、寝る。でも辛くて眠りが浅い。がんばれ、明日は仕事だ。
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