
ドバイから山を越えて、マサフィを過ぎて、さらなる本格的な山道に突入。風防が虫と埃でほとんどスリガラスのようにしか見えません。

ここから、絶景でとてもいいのだけど写真を撮る暇なし。、坂道やカーブに思いのほか時間がとられてしまってあせりだした、、というのが正解。電話に一緒にダイビングする友人から「もう着きました」という連絡があったりして、なかなか着かないのがもどかしい。
やがて、ディバの町。あらかじめもらっていた、ディバの町の地図。

おおまかすぎて、何の役にもたたん!どころか、この地図のおかげで迷子になったといえる。おかしい、この地図おかしいと思いながらGPSと比べるけれど、この地図のような地形はない。それにGPSもこのへんでは道路はあっても地名や通り名の表記もない。田舎すぎて、そこまで手が回らなかったといえるだろうけど。
私は大きな声で叫びたい!こんな落書きみたいな地図をつくるな!グーグルマップに落とし込め!!!
電話して、現在地と思しき場所をいうけれど、ダイビングショップの人も私がいるところがわからなくて誘導のしようもないみたい。同じところをグルグルまわる。こうなると、携帯電話をスピーカーモードにしてヘルメットの中に押し込み即席ハンズフリーで運転。え?場所どこ?今いるところは?

国境の町のUAE側で、オマーンとの国境を探す。家が建て込んでて、どこが国境だかわからない!この時点でボートの出航時間を過ぎてしまった。ああ、ここまできてダイビングできないのかという思いがつのったとき、
すってーん、ガリガリガリ
転倒。体は問題なさそう。道路のハンプスをうまく越えられなかったのだ。話しながらの運転はいくらハンズフリーでも絶対やめたほうがいいと心に誓った。横抱きジェリ缶からはガソリンがこぼれるのですぐに閉めて、親切な地元のアラビア人が駆け寄って一緒にバイクを立たせてくれる。ありがとう、ありがとう。
ところで、オマーン国境はどのなのか聞いてみる。なんとか方角がわかる。
もう、泣きながらオマーン国境をめざす。なーーんだ。一番最初に来た道じゃないか。もう少しこのみちをまっすぐ行けば目的地だったのに、どうもおかしいと思ってUターンしたのが間違いだった。もう、どうもおかしいと思わなくてよし!どっちにしろ、おかしくなるのだから、最初から「目的らしいところ」に突き進めばよかった。
国境にたどりつき、パスポートを渡してダイビングに来た!というと、ここじゃない。。。と、言われる。大ショック、しかし、友人に電話で「国境までたどりついたけどここじゃない、、といわれた」というと、「あ、それ私も言われた。わかるわかる、じゃあ、そこから海側に折れたところにもうひとつ国境があるんだよ。そこから入る」と親切な声が返ってくる。ありがとう。
もうひとつの国境、、というところでも揉めたけど、もうこれぐらいの揉め事は問題にもならない。もう、「お役人との揉め」のプロになっているから、こんなもん屁でもない。無事、オマーンに入国。しかし、そこから先がわからん。地図にもないような小さな町、、とタカをくくっていたのだけど、地図にもない大きな町だった。おそらく急激に都市化がすすんだとおもうのだけど、道路をすすんでも、すすんでも、何も無い。もう、港はどこだ。。。行き過ぎて?と思ったので砂利のところでUターンして立ちごけ、、痛い。しかし、何度転んでも、目的地に着かないといけない。
もう、脳みそは場所探しで一生懸命。熱いとか痛いとかまったくどうでもいい世界で、ただあせるだけ。そして、出航時間をはるかに過ぎて港に到着。懐かしい友人が出迎えてくれて、泣きそうだった。
●