
リヤドの市街を抜けたところでとっぷり日が暮れました。予定ではブライダには夕方5時ぐらいに着く予定だったのに、リヤド出発が6時では夜のたびを覚悟しないといけません。なんならリヤドで一泊すればよいというオプションもあったのですが、今、宿をキャンセルしてもお金は戻ってこないと聞いているのでもったいない根性でブライダに出発です。
ブライダのあるカシームは農村地帯で、アハサーと同じくブライダは首邑にすぎず同じような村はいくつもあります。それで本来はカシームというべきですが、ホテルがブライダにあるので、ともかくブライダ。
ブライダは何度も繰り返しているように、へんな国といわれることも多いサウジで、「極め付き偏狭な」と誰もが口をそろえる、非常にディープな街です。真っ暗闇のなか、高速を延々と北上。リヤドからカシームまで約400キロです。エアコンの効きすぎたクラブルームにずっといたせいか、なんだか体がカチコチだし、疲れて、やすみやすみ。暑くは無いともいえるけど、疲れて、疲れて、、
それでも、ようやくブライダの市街。もう、ジェッダの交通が非常に優秀に見えるほど混乱した運転。なんというか、自分さえ良ければ、、という状況。ジェッダだって相当なものですが、全然、ブライダのひどさはジェッダの10倍ぐらい。夜も10時を過ぎて、ホテルはどこだかわからず、地図もいいかげんだし、いつもどおり彷徨いのはじまり。信号で止まっていたら、追突されました。

バイクなので当然のように吹っ飛びました。1日に2回も、、、
相手の運転手は自分が100%悪いことを認め、しきりに私の体を心配していますが、ライトが壊れたりフェンダーが変形したり、、という話になると、あっという間に悪人に変身。いろんな野次馬も来たし、いろいろな話の中、こいつらにはサウジの常識が通用しない、サウジでありながらもはや論理の破綻したところだということが良くわかった。なるほど、あらゆる人が避ける街だけのことはある。
つまり、人の気持ちだとかそういうのは全く考慮せずに、自分のしたいことだけする、、という雰囲気が充満しているのだ。なるほど、それで自分の考えを押し付けるムタワの産地といわれるだけのことはある。もう、疲れたし、さらに疲れる人を相手にするつもりもないから、バイクを発進させてホテル探しに向かう。
ホテルが見つかって、チェックインしたのは1時。もう、日付が過ぎてしまったのだ。これで、朝4時出発予定だから、もうほんの数時間いるだけか、、
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事務所に帰って同僚にブライダの話をしたら、「そんなことはわかっている、だからブライダ行きを止めたのだ」と言われました。うーん、すると「両替のラージヒーバンクみたいに、豪商の多くはブライダの出身だ。何故だかわかるか?あいつらは、取るだけとって出さないのだ」!
今なら良くわかります。押しが強いというか、自説に固執するというか、、たしかに学者にはむいているのかもしれません。