まっ茶色です。驚くばかりの茶色。泥の河です。
上流の土壌流出というか、こんなに土の色が濃いければ土壌など残っているのか?疑うばかりです。もちろん、ここ数日激しい雨ということもあるのでしょうが、しかし、泥すぎる。Kuanta河にしろ、Pahang河にしろ、こんなにひどい色にはなってないです。
マレーシアの森林伐採や土地造成は急な勢いです。
でも、ウエブでみかけた「マレーシアの森林率は60数パーセントで日本より低い」というのは出鱈目です。
そもそもだけど、なんで造成以外に森林伐採をするのかというと材木を取る場合とヤシの世代交代があります。アブラヤシにしろ、ココヤシにしろ、樹齢を重ねると元気がなくなるので、ある程度で切り倒して若い木に変えないといけません。こうして材木用と果実生産用の2種類の伐採があるのですが、伐採跡を放置することは滅多にないです。伐採するのはお金のため、そのあとに木なりヤシなり植えないとその土地からの現金収入の道が途絶えることになります。だから、伐採したら植樹します。すぐに大木になるわけでも、実をつけるわけでもないので早いほうがいいわけです。
土地の造成にしても、そこに何かを作るために造成するのであって、ほったらかしにするために造成するわけではないです。造成にもお金がかかるので、計画をしっかりたてないと造成を始めません。
だから、伐採跡は放置されているとか、無計画な造成しているとか思っている人は、そう思い込みたいから思っているので、土地の人にも生活があり経済というものもあるということを無視しているのでしょう。もちろん失敗した造成もあるでしょうが、なんだか世の中は「発展途上国は金儲けのため無計画に木材を伐採している」とか「いい加減な造成で土壌流出がひどい」とかいえば、なんとなくみんな、そんなもんかなあと納得してしまう濃厚な雰囲気が漂っています。
そこで、「うんにゃ、そんなこともない。誰も無計画にやるほどお金が余っているわけでも、能無しなわけでもない」というと、お前の方が間違っていると言われかねません。
それにしても、マレーシアの森林率の統計を作った某協会のホームページは残念です。何かの現地の統計を鵜呑みにしているのでしょうが、その統計は一目で間違っているし、それに気が付かないほうがひどいです。お役所仕事ですが、統計には批判的な目をむける必要があります。
しかし、泥の河。川岸まで歩いて行ったみたけれど、透明度が5センチぐらいしかなかった。これは、なんとかならないものかなあ。
●