The Redang Telegraph

2015年02月09日

アンジーが監督のUnbrokenを観た(2)

映画Unbrokenのあらすじを非常に短く言うと、移民の子ルイスは頑張ってオリンピックの陸上選手となるが、その後太平洋戦争で乗ってた飛行機が海上に不時着して、漂っているところを日本軍の捕虜になる。収容所で辛い日々を送るが終戦でアメリカに戻りめでたし。。。というもの。こういう映画はいままでも幾つもあるし、サバイバルものというジャンルだってあるぐらいです。

聡明なアンジーのことなので、この映画に惚れ込んだのはサバイバルからの生還ではないと思います。このUnbrokenの原作は映画のようにアメリカに戻ってめでたし、、で終わっていません、尻切れトンボ感があるのは当然の話で、むしろ、これから先がUnbrokenのタイトルが問われる佳境となります。ルイスはアメリカに帰ってPTSD心的外傷後ストレス障害にかかります。40日以上の漂流でも、理不尽な収容所の虐待でも、身体的に傷つけられても不屈の魂で乗り切ったのですが、PTSDで収容所時代の悪夢に悩まされ、その悪夢を紛らわせるために深酒に陥ったり、体の傷が癒えるに従って、魂の傷は深まります。見かねた新妻と周囲の説得でキリスト教会の行事に参加するようになり、自分の「敵だった者を赦す」ことで悪夢と傷ついた魂が徐々に回復。教会のすすめにより、自分の体験を積極的に聴衆に語ることによりPTSDと決別します。おそらく、ここがUnbrokenの最大の見せ場で、単なるサバイバルストーリーと違う、魂のサバイバルを「赦すことで戦う」というモチーフにアンジーは引かれたのではないかと推測します。ルイスはその後キリスト教会活動に身を捧げることになります。

体の傷と心の傷、それらをすべて受け入れて、なおかつ傷つけたものを赦すことで癒すというルイスの前には、ちっぽけな自我と不安に対しては何度も逃げることでしか解決できなかった収容所のワタナベ伍長は狂言回しでしかありません。赦すことでUnbroken不屈の人となったルイスの話はここまで入れて完結するはずですし、おそらくそういう構想だったのではないでしょうか。ポスターにあったが、映画にはでてこなかったRedemption、、キリストの贖い、救済とはここを指すと思います。

ルイスは戦争以前にベルリンオリンピックでヒトラーに気にいられるといった複雑な過去もありますし、映画Unbrokenをルイスの「汝の敵を愛し、汝らを責むる者のために祈れ」が主題にならなかったのは残念なことです。


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