3月にまたミニコンサートをするから、こんどは、「エリーゼの為に」ともう一曲の2曲をやろう、、とジャスティンに言われてしまった。これは6月のグレード試験のための度胸試しという意味らしいです。もう一曲のほうは、そのまんま試験の課題曲だし。
ジャスティンはまず、曲の裏側の「もてないベートーベンが高嶺の花のエリーゼを好きになった」というところから、当時は芸術は一部の人の楽しみで大衆のものではなかった、、ので、ベートーベンの出る幕は少なく、、云々(でんでん)という切実な話をしてくれて、その時のベートーベンの思いをバイオリンで表現しないといけないという話を切々としてくれました。涙がでそう。
だから、ジャスティンが弾いてくれたのは、もう、なんか、しんみりと、「私は叶わない恋をして、しょんぼり、、」度が200%のお通夜のような曲でした。間違っても、「キッスは目にして」系のテンポはありません。
それにこの曲はE線ばかり。私は甲高いE線が嫌いで、、、ジャスティンに「ねえ、この曲、E線ばっかりだから、指が痛い。1オクターブ下げていい?」と言ったら、あの温厚な貴公子ジャスティンが眉間にしわをつくって、「バイオリンはE線が命!バイオリンはE線を弾いてなんぼなんだ!オクターブ下げたければ、バイオリンは止めて、ビオラを弾け!いっとくが、ビオラは難しいぞ。それに比べたらバイオリンは屁みたいなもので、だれでもやってる。子供でもやる」、、まるで「尼寺に行け!」というような口調。
ははーーー、、おみそれしました。確かに弦楽四重奏とかでも、バイオリンはいつも高音を担当だもんね。それに、確かに子供向けのバイオリンの本をみるとE線ばっかり。これはE線が細くて、指の小さな子でも押さえやすいというのに由来していると思った。でもね、細くて小さな子でも押さえやすいけどね、、おじさんの指だとこの細い線が、、指に食い込む、、んだよ。痛いんだよ、、、はやく上手になって「G線上のアリア」とか太くてまるまるした弦ばっかりの曲弾きたいなあ。
、、、とジャスティンに泣きをいれたかったけど、言えなかった。がんばります。それにしても、エリーゼのために、、のような良く知られた曲を弾くのは好きじゃない。上手くないとバレバレだもん。誰もが聞いたこともないような曲を弾くのが好き。
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