As known as Na Tuk Kong or Datuk Kong, a famous god among Taoism believer in Malaysia.
私の住んでいるアパートの駐車場の出口に、小さな祠があります。この4年間、毎日その前を通ってましたが、今日、ふと見ると祠に「拿督公(正字は拿は口へんですが、漢字変換できないです。口拿という文字)」と書いてありました。おおお、これが噂のDatok KongあるいはNa Tuk Kongの社ですね。
Datok Kongで祭られているのは、ムスリム・マレー人で、Dato Haji Keramatと呼ばれる人(神)です。この人が実在していたような気配はなく、イスラーム以前にマレー人に伝わっていたマレーシアの神ではないかという説もあります。今のところ特定の誰かではなく、マレーシアの大地の精で、真剣にお祈りすると願いがかなえられるということになっています。マレーのイスラム化以前の神様かもしれないというのに、ムスリムというのも面白いです。
WikiによるNa Tuk Kongの説明
https://en.wikipedia.org/wiki/Na_Tuk_Kong
どういうところでお祀りされているかというと、自然の山林を切り開いて造成したところなど。大地の霊だから、地鎮祭用の神様という見方もできます。開墾したりしたところで、もともとの自然と開発との調和を願うとともに、今後もどうぞよろしくお願いします、、という感じ。ここはマレーシアだから、中国の神様だと大地の精には間尺にあわず、マレーシアの精霊を引っ張り出してきた風ですね。
Na Tuk Kongの詳しい説明のURL
http://rakcacerblue.blogspot.my/2013/10/na-tuk-kong_27.html
これによると、拿督公へのお供えは地域によって差はあるものの、パイナップルとバナナだそうです。おー!たしかにここには、パイナップルがある!
おもしろいのは、拿督公へのお参りは金曜日が重要な日とされ(拿督公はムスリムだから)、断食明けのお祭りや犠牲祭といったイスラームの祭日も、拿督公のお参りの重要な日とされているようです。さらに、拿督公へのお供えに豚肉は禁制で、拿督公にお参りする人も、豚肉は食べてはいけないそうです。ふむふむ、やっぱり拿督公はムスリムなんですね、、、
中国系道教の信者によって、信仰されている拿督公。マレーシアの神様というのが面白いですが、Na Tuk Kongはマレーシアだけでなく、シンガポールやインドネシアでも信仰されているようです。ちなみに、拿督公に推定される実在の人物はいるのか?どこから華人はこの神様を引っ張り出してきたのか?真面目な民俗学研究がいくつもあります。マレーシアにとっては、非常に興味深いことです。
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2017年06月12日
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