コタバルの中心地にはかっての王宮があるヘリテイジエリアがあります。その一角は博物館だらけ。博物館の隣に博物館があって、その隣も博物館、、というありさま。もちろん作られたときは王宮の建物の一つだったりしたわけですが、用が済んでも建物自体に価値があるため、壊すに壊せず。しかも、普通の建物として使うには、古すぎて利用できない、、だから、ま、博物館にしてしまえ!というノリだと思います。そういう安易に博物館になった建物はマレーシア中に数知れず。
しかし、モスクは違います。モスクはどこまでいっても礼拝の場所。用なしになることはないし、きちんと使って行けば延々と使える。
ここ、ムハンマディモスクは、ケランタンの国立モスク、、えーっと、ケランタン州のいちのみやとでもいうべきでしょうか。歴史と格式があります。
出来た当初は、王宮と向かい合って広々とした空間にそびえたつイメージだったはずです。いまでも、高い塔といった構造に大きさと威厳を感じさせます。純然たるマレー式というより、張り出し櫓は、ムガール風?、、あんまり見かけないスタイルです。作られたのは今から150年ぐらい前。ただし、屋根はマレー式なので、ドーム建築のような高い天井にはなってません、、、ちょっと残念。
まあ、いいでしょう、これも風情があります。
ここのモスクは男性用と女性用で建物が分かれる様式で、多くのモスクにあるような入口は別、、とか、内部で別れている、、とかじゃなくて、建物が別。この通路の右が男性用のモスク、左が女性用のモスク。
まあ、重厚なつくりですが、今は道路がこのモスクを取り囲んで、ちょっとせせこましい感じになってます。昔は道路なんてなかっただろうし、土地区画だってもっと大雑把なものだったと思いますが、この悪い意味で古ぼけてゴミとか落書きとか汚い区画を、もうちょっと頑張って綺麗に整備しなおすと、見違えるほど立派なレトロ都市ができて観光客も大喜びなんだろうけど、スルタンにはその気があるのかないのかよくわかりません。これが目端の利くトレンガヌ州だったら、あっという間に綺麗にして観光資源にするのだろうけど、田舎臭いパハン州よりさらに3歩遅れてる田舎のケランタン州じゃあ、ちょっと無理か。
まあ、これも、風情でしょう。東海岸3兄弟。ケランタン、トレンガヌ、パハン、、まあ、全然違います。ケランタンは、、秘境だし。マレーシア語も訛が強くてユネスコでは、マレー語とは別にケランタン語に分類しているぐらいです(日本語と沖縄語もそう)。
秘境は、極めの秘境を目指そう!むりして都会化しようとせず、ありのままで勝負したほうがいいよ。
●