The Redang Telegraph

2017年10月28日

Malaysian Archery 1 マレーシア弓は伽耶弓?

Kaya Bow is popular in Malaysia.

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ふと思いついてアーチエリー屋さんに行って、その後最初の練習(というかお試し)。練習後、、オーナーの方にいろいろとマレーシア弓道についてのお話を伺いました。

オーナー「ほら、これがKaya Bowだよ。今はこの弓でマレーシア弓道をやってる。」
私「へー、、ここの国の弓はKayaって言うんですか?」
オ「いいや、Kayaはマレーシアの弓じゃなくて韓国の弓だよ」
私「へえ?マレーシア弓道はマレーシアの弓を使わないの?」

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いや、、、これは愚問でした。オーナーさんは答えにくそうに、、

「競技者に弓を作って売る、、というのがビジネスとして成り立つのはどのぐらいの競技人口がいるのだろうか?私にはよくわからないけれど、マレーシア弓道の競技者は多くない。そもそもマレーシア自体そんなに人口の多い国じゃない。とても、誰か弓職人がいたとしても、とうてい生活していくレベルに弓が売れるわけじゃない。まず、それが1点。そして次に今の弓は普通にグラスファイバー弓だけど、伝統的なマレーシアの弓は木製。伝統的な弓職人が作るものは当然木製だけど、時間もかかるし結局製品は高価なものになってしまう。でも、ビギナーはそういう木製で扱いづらいものが欲しい訳じゃない、扱いやすくて腕力がなくても飛距離の出やすいグラスファイバー製が欲しいわけ。もちろん、値段も手ごろ。」

なるほど、、、

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「それで、、、とうぜんのことだけどマレーシア弓をグラスファイバー化して売っても競技者数から言ってもビジネスにはならない。だから、マレーシア弓に似た韓国の(大量生産されてる)伽耶弓をつかっているわけさ」

そうだよね、、ちょっと悲しいけど、人気のある韓国弓を輸入してマレーシア弓道でつかう。まあ、似たような弓だし、近代的に洗練もされているからそれでいいのでしょう。値段も手ごろです。ちなみに伽耶は加羅の現代的表記らしい。伽耶はちょうど対馬の韓国側対岸にあたる一帯をさす古代の地名。そんな地名がなぜ弓の名になっているのかはよくわからないけど、そこらへんでよく使われてたんじゃないかなあ。

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ただし、マレーシア弓道のみんながみんな伽耶弓を使っている訳じゃないです。もっと扱いづらいトルコ弓を使っている人達もいる。トルコ弓、、知っている、世界で一番強力な弓で鉄弓でしょ?

「鉄弓?うんにゃトルコ弓もグラスファイバー製だよ」

そっか、歴史的には鉄弓だけど、今は競技用に普通にグラスファイバーなのですね。ただし、伽耶弓に比べて張が強いし、扱いづらくて初心者向きではないらしいです。

でも、伝統弓といえば日本人だと日本の弓しか知らない人がほとんどと思いますが、世界にはいろんな弓があって、弓道はそれぞれの場所で盛んであったりするわけです。日本の弓は合成弓や複合弓でなく弓の全部が同じ素材の単一弓。残念ながら、これは飛距離がでないので、飛距離を稼ごうとすると弓を大きくして、矢もそれに合わせて大きくならざるを得なく、結局は今よくみかける長大な弓になってしまいました。今日のようにレジャーやスポーツとして使うには、、これでは持ち運びも不便。世界的には流行らないです。

とりあえず、伽耶弓も使わせてもらったけど、、、これだって初心者向きとは言い難いです。ふつーの、初心者用アーチエリーの弓が、やっぱり初心者には楽でした。

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でも、ちょっとそれはそれで大変。もちろん、大変なのは訳がある。教え方が、、、まるっきり、乗馬といっしょ、、すなわち、、「やってみて覚えろ。教えてもらうな」式。マレー風お稽古事はだいたいこんな感じ。


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