「あどけない話」 高村光太郎
智恵子は東京に空が無いという / ほんとの空が見たいという
私は驚いて空を見る / 桜若葉の間に在るのは
切っても切れない / むかしなじみのきれいな空だ
どんよりけむる地平のぼかしは / うすもも色の朝のしめりだ
智恵子は遠くを見ながら言う / 阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が / 智恵子のほんとの空だという
あどけない空の話である。
マレーシアに来て、はじめて、本当の空を見た気がする。
アラビアの砂漠のどんよりと薄く埃にまみれた黄色い空は、きれいな空とは縁が遠い。雨が降って空気中の舞ってる汚れが一回地面に叩き落されないと、どうにも青空にはなりません。でも、そこは砂漠というぐらいで雨は少ない。舞ってる塵の反射と屈折で夕日が綺麗というのは、おまけですね。
それに比べて、これでもか!というほど雨の降るマレーシアは本当に青空がずば抜けてる。スコールは空の洗濯。それに、雲が低くてまるで芸術のような広がりと濃淡があるのがいいです。マレーシアの最大の見所は「ほんとうの空」なのですが、これを知る人が少ないのは残念。無料でいつでも見れるのに、おしいなあ。
うーむ、、、これから将来どこに住むか知らないけど、マレーシアほど空が綺麗なところに住むことはないと思います。そのときに、、xxxxには空がない。延々とつづく熱帯雨林の稜線(この稜線も空隙と木がはみ出ていい感じなのだけど、うまく説明できない)の上に毎日でているのが本当の空だ、、ということは間違いないです。
心底、あれが本当の空だと思う(やっぱり洗濯したてが一番きれい)。
東京の空とはまず広がりが全然ちがうだろう、智恵子さんよくわかってるじゃないか。それに気がついてない、、、光太郎。はっきりいって、あどけないのはあんたのほう。
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