アルファベットは、もともと北セム語族のアブジャドが変化したもので、フェニキア文字からギリシャ文字となったところで、今のローマ字風のアルファベットが生まれました。でもって、ジャウィの元になったアラビア文字は北セム語のオリジナルからあんまり変わらず、そのまんまアブジャドで通用。今の語順であるアラビア語アルファベットになったのはそんなに昔じゃないと思う。
なぜって、、アブジャドは「いろはにほへと」、アルファベットは「あいうえお」と思うとわかりやすいと思うけれど、今でもアラビア語で、契約書とか難しい文書で箇条書きするとき項として、、ア)ブ)ジャ)ド)順にすることも普通。これは日本の法律とかの文書で細分化するとき、イ)ロ)ハ)という項目立てにするのと一緒。アブジャドも普通に現在でもつかわれていると思って間違いないです(少なくともイロハ程度には)。というか、私だって時々今でも項目順として使うし、、
、、、ということで、たまたま見かけたジャウィの表。おおおお、、、アラビア文字アルファベットと順が違う。もちろん、アブジャドでもないです。なんというか、、へえ?という感じ。
言葉の形順がアラビア文字アルファベットとしたら、文章として意味があるのがアブジャド(いろはにほへとに意味があるのと一緒)、で、ジャウィは形順プラス音順。たとえば3番目のT音のすぐあとにターマルブータが来てる!アラビア文字だとターマルブータとターマフトゥーハは同じT音で扱われて、ターマルブータは文字としてカウントされないか一番最後におまけでついているのがふつう。でも、ここでは独立した文字としてあつかわれている!へえ。
もちろん、ジャウィ独自の文字も適当に文字の形に合わせてアルファベットに組み込まれているけど、これはそんなもんだと思う。ジャウィ独自の文字というのは、ローマ字アルファベットでいうと、Cとか下にちっちゃなzを加えたセディーユŞみたいなやつで、何個かあります。
同じようなアラビア文字起源のペルシャ文字とかにあるジームの下に点が3個あるやつ。これは逆ピラミッド型に並ぶのに、ジャウィではピラミッド型に3つ点が並んでる、うーむ。どっかで間違えたのか?独創なのか?
最後のほうにある、ヤーに「点が2つ」ある奴と「点無しアリフマクスーラ」が、YaとYelyelと別々に認識されているのも興味深いです。ふーむ、アラビア文字と似たようなものだけど、こうやってアルファベット表として配置されると、ジャウィを考案した人の気持ちがなんとなくわかって面白いです。アラビア文字起源の文字は、ペルシャ文字、ウルドゥー文字、ウイグル文字など30言語余り、世界ではラテン文字、漢字について3番目に使用者の多い文字とのこと、、なるほど。でも、若干ずつ違いがある(セディーユみたいな違い)。
どこにも置きようのない、nyaがポツンと最後にあるのが、ちょっとかわいそう。しかも、ハムザより後だし。
どうでもいいけど、昔、寺院の「マスジド」が英語で「モスク」になった経緯を考えた時、「ジ」音と「ク」音が近い可能性があると思ったけど、、ちょっとまてよ、アルファベットでABCDで、アブジャドでABG(J)Dって、CとGが入れ替わってるじゃないか!これで、マスジドがモスクになった理由が説明できるかなあ。新たな発見。あれ、そもそもCとGって、文字似てない?Cのセディーユが真ん中に付いたって可能性は?
(wikiにあったアブジャドがアルファベットに変化した表)

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