The Redang Telegraph

2018年10月17日

Traditional Family Stracture いわゆる家制度。なんでこんな近世の遺物が、また、ことあるたびに口の端に上るのか。近世の「家」は今でいう「会社」のことだったんだけど、わかってない人は今の家庭に持ち込みたがる。

Traditional Family Stracture in Feudal age is still alive in Japan although Constitution denays it.

ほんとうに不思議なことに旧憲法の家制度を礼賛する声がいくつもあります。ほんとうに不思議なのは、この家制度は江戸時代の制度で、明治時代になってやめようとしたけど、人々の心に食い込んでたのでたやすくやめられず、結局緩和して旧憲法に残したけど、大正時代に「江戸時代生まれが少なくなった今こそ、家制度のやめ時」ということで改正されて、その後も改正をしつつ結果的に廃止するつもりだったもの。

戦争に負けて、現行憲法ができたときに旧来の家制度の名残はほとんど無くなった(全部じゃない)けれど、それはもともと旧憲法でも無くすつもりだったものの延長に過ぎない。。。。。だいたい、江戸時代の家制度に冷や飯を食わされて不満だった人たちが明治政府を作ったわけだから、家制度なんて親の仇みたいなもんだったはず。福沢諭吉なんて「門閥は親の仇」とか言ってるし。

、、ということで、旧憲法の家制度は旧制度のエスタブリッシュメント層への懐柔(なんといっても彼らは華族になって議員にもなってるし)もあって、作られたもので、本来全然やる気がなかったものなのです。

でもって、江戸時代の「家制度」とは何かというと、今で言うところの「会社制度」です。は?家と会社は違うだろう?と思うのは今の人の考えで、昔は「家」に産業がついたり、俸給や役職がついたりたりして、個人がお金をもらうのは庶民ばかり。そのため、家をつぶすのは会社をつぶすのと一緒で、家族や傭員が路頭に迷うことになってしまいます。家長は社長ですから、お金の算段をしなければいけないし、家族も傭員も養わなければなりません。家制度では家長(戸主)が家族を養う義務がある、、というのは、社長は従業員の生計を立てさせる義務があるのと一緒のこと。社長は従業員のために社会保険に入ったり、いろんな補償をしなくてはならないけれど、それに見合うことを江戸時代は家長がやってました。だから、いまでも、社長で家長的にふるまいたがる人は多いのはその名残。社員は家族だ!という人も同じこと。

赤穂浪士は浅野家の「お家取り潰し」からでたもの。取り潰されたのは「お家」。家制度の「お家」。そのおかげで、浪人という名の失業者がでて、、ということから、「お家」お取り潰しというのは会社倒産とおんなじなのがわかるけど、、これが家制度。

だから、時代劇でも、家を継がせるために養子をもらったり、出したりと大変なのは、血縁とは関係なく社長を(特に優秀な社長を)融通しあわなければ、企業として将来がないだろう!ということ。なんせ、家に家業や俸禄がついてまわるのだから、社員(家族と傭員)は一大事なのです。跡継ぎをめぐる争いとかも珍しくないけど、それは社長の後釜を狙うレースというわけです。つまり家制度における家長とは(できれば)優秀さを求められるけど、血縁はなくても無問題。実子がいても、養子をもらって家を継がせるというのだって、珍しくなかった。

、、で、家に家業や俸禄が付かない明治以降、、家制度とは単なる華族懐柔のための方便だったのだけど、、平成ももう終わるのに「夫婦別姓は日本の家制度が壊れる」というのは、そもそも家制度というのが何なのかわかってなくて、なんとなく家長制度だと誤解しているのに起因している。ちなみに、明治になって家に代わって会社というものができて、自営業は別として、「家で働くのではなく、会社で働く」というふうに制度が変わった時点で、家制度というのは崩壊しています。なにも、昭和の戦後になって、新しくなったコンセプトじゃないんだし。

明治以降の家制度というのは、今言ったように江戸時代の残滓で、当の政府自体がやめたがってたものだし、単なる「家父長が威張りたい」というだけの制度。これを、、家制度というのは、ちょっと違うよね。さらに、いまどきの「家制度が云々(でんでん)」というのは、何か勘違いしているとしか思えない。

不思議なこと、、

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