4週間前に行われた、クルアーン読誦コンテスト+子供たちの研究発表会。広尾のアラブイスラーム学院で行われたイベントです。
ここでは、本場サウジアラビアのプログラムに沿ったクルアーン読誦コンテストが行われました。ちっちゃな子供たちのレベルから大人の部までさまざまなクラス分けがあって、最高はハーフィズ、、本一冊まるまる覚えて読誦できるというレベル。時間が遅くなったので私は途中で帰ってしまったのですが、最後までいた方に聞くと、今年はハーフィズ認定が行われた年だったそうです。日本からもハーフィズを輩出するようになったのですね、すごい。2日間にわたったプログラムですが、参加者はすごい数。
開会式の後、子供たちの課題研究発表。模造紙で壁に張り出した研究発表を見て回ります。今回からはじまった新しい試みで今回は6組参加。たくさんある研究成果の評価ポイントの一つに、「何か国語で発表されているか?」というのがあり、3か国語以上だと高得点となります。さすが、インターナショナルな場。参加者はインターナショナルスクールに通う子もいるし、メインは公立学校だけど補習校としてインターに通う子もいます。
さてさて、同じ年齢の普通の公立小学校の児童に「3か国語以上」とかいう基準は設定されないでしょう。でも、ここで発表されたものは最低でも2か国語以上で、3か国語以上というのがほとんど。しかも、ちゃんと意味を理解しているか、その場で口頭でもそれぞれの言語で質問して回答させるという念のいれよう。日本の公立小学校でも英語の義務化が行われるという話を聞きましたが、差は歴然ですね。インターに通う子供たちは普通に数か国語を母語として読み書きしているわけで、将来が楽しみです。
私も研究発表の審査員のひとりとなりました。なんで私が?という気もしますが、おそらく審査の口頭質問で日本語でする場合の頭数を合わせた、、のでしょう。採点も評価表に沿ってつけるわかりやすいもので、貴重な体験をさせていただいてありがたいです。

そして、ごはん。このアラブイスラーム学院は、サウジアラビア大使公邸跡に建てられたもので外交団用地。サウジアラビア政府の全面的バックアップもあり、用意されたお昼ご飯は、大使付きのシェフが腕によりをかけて振舞ったもの。とってもおいしいのは保証済。
それに常時提供されていたアラビアコーヒー、、いやーほんとうに久しぶりのアラビアコーヒーでうれしかった。
そして、メインイベントのクルアーン読誦コンテスト。初日は学齢以下やエントリーレベルのリサイタル。可愛らしいし、一所懸命がんばったのがよくわかる。みんなの前にでて、あがってしまう子供たちもいたけど、みんなやさしく声援。
読誦参加者の一人と話しをしました、、
私「寒い中大変ですね、今回どのレベルで参加されるのですか?」
参「レベル8です」
私「わあ、すごい最高レベル?それにしても、プログラムでは今回はレベル7までしかないとか言ってたよ」
参「じゃあ、受付でもう一度確認してみます。審査の教室もこれから用意するとか言ってたし」
私「うん、それがいいよ。どこから来たのですか」
参「岩手からです。バスで到着して、すぐにこの会場に来ました」
私「岩手から!このコンテストのために!バスで到着してまっすぐ!すごい、すごすぎる。うまくいくといいよね」
そして2日目はレベルはどんどん高くなり、最後はハーフィズレベルまで。審査会場もレベルにあわせて別々の教室で同時並行で行われました。審査員の先生方も大変だったと思うけど、見ていてこれまで知らなかったクルアーン読誦コンテストの内容をいろいろ知りました。どういうふうにして質問がなされるのか?どういうふうに課題がだされるのか?どういう読誦法なのか?審査員のコメントはどういうふうにフィードバックされるのか?なるほど、奥が深いです。それに、これは日本風じゃなくて世界統一基準なので、世界中どこにいってもこういうふうに行われるというのがわかって、またまた勉強になりました。

イベントのお役たち情報:2018年の年末は第19回目でした。毎年年の瀬の恒例行事になっているので、早めにアラブイスラーム学院か、イスラーム系のインターナショナルスクールで確認するといいです。研究発表は今年が1回目ということで参加者も少なかったけれど、来年以降はもっと多くなるといいですね。主催者側へのお願いは、参加者全員に今後の励みになるようにいろんな賞をつくって、全員に賞が与えられたらいいと思います。いまは上位者だけで、あとの参加者はなんにもなし。ちょっとかわいそうな気がする。
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