一人当たりのGDPはだいたい25位前後だから、何が日本の幸福度を落としているかというと、、、
幸福度の指標は、、
(1)人口あたりGDP
(2)社会的支援(ソーシャルサポート, 困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか)
(3)健康寿命
(4)人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
(5)寛容さ(過去1か月の間にチャリティ等に寄付をしたことがあるか)
(6)腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗が蔓延していないか)
日本の順位は、
(1) 26位
(2) 24位
(3) 3位
(4) 45位
(5) 92位(下から21位!)下から数えた方が楽とは、、
(6) 32位
誰もが知っているが、誰も大騒ぎをしない、、
寛容度が世界で92位
だからです。まあ、そんなもんだと思う。
平成28年度自殺対策白書によると、日本の自殺率は世界でワースト6位だそうな。いや、こういう言い方はよくない。世界に150か国あるとすれば、日本は144位ということなのだ。、、、まあ、自殺率がこれでは、日本の幸福度が高いとは言えないでしょう。むしろ世界で、まだ58位でいられるのが奇跡なぐらい。
このニュースを見て、一定の割合の人が、こう感じたらしい、、
「世界の幸福度?そんなの人の好き好きで、幸福の定義なんて無いし、こんな物差しに載らないような小さな幸せを感じている人もいるんだ。こんな世界統計なんて、いんちき!意味がわからないうえに、恣意的すぎる」
えーっと、自殺率が世界最悪レベルなのに、小さな幸せどころではないでしょ?だいたいほかの国は財力(一人当たりのGDP)と対応するような順位。つまり、国民が貧しい、、というのは政争で不安定であったり戦乱であったり、ともかく社会全体が幸福度を下げるような結果であることが多く、はからずも、「貧しい=幸福でない」図式となっています。が、これは個人の幸福云々より社会の制度や慣習によっているからだと思います。
小さな幸せをどう感じるか、、というのは日本にしろ、一位のフィンランドにもある。べつに幸せと考える範囲が千差万別なのは世界中にあることで、べつに日本独自のものじゃないから、ここを比較しても差はゼロで意味がないです。
えーっと、日本は一人当たりGDPが世界で25位ぐらい。周囲にフランスとかイギリスとかいる。だから、自由度にしろ、寛容さについても、国力相当といえば、イギリスとかフランスとかと比べなきゃならないのに、自由とか寛容さをこういった国と比べると、「ヨーロッパのほうが良いに決まってる。そんなに自由とか寛容が好きならそういう国に住めば?」とかいう、まるで不寛容の見本のようなことを言い出す人もいます。あたりまえ、みんな自由や寛容が好きなのだ、、そういうものは幸福につながるのだ、、まるで、「日本は不自由と不寛容の国です。それが嫌な人は日本から出ていけ」といわんばかり。
そういうひとが好きな外国は、北朝鮮。まるで恋しているかのように北朝鮮と比べて、、「どうだ、日本は北朝鮮に自由も寛容度も勝っているぞ」という例がある。よりによって、中国(74位)とか、北朝鮮(集計不能ほぼ世界最下位グループ)と比べてどうする、、イギリスとかフランスとかと比べろよ。。。
寛容とは、「心が広く、人の言動をおおらかに受け入れる気質や性質」です。それがないというのは、心が狭く、人の言動を受け入れられないということですね、、どうやって、そうなるかというと、、もう、その個人が「いっぱいいっぱい」でまるで溺れそうなぐらいに余裕がないからです。社会の不寛容性とは、社会の「余裕のなさ」に起因している。。。もちろん、日本の社会に余裕なんてないし、ライフスタイルの自由度も狭い、、、、ということ。
寛容になろうよ、ほら、サウジアラビア。国民の幸福度は28位だよ、日本は58位。日本の人は「サウジアラビアは窮屈で幸福度が少ない」とか感じているかもしてないけど、けっこう住めば都。ほら、幸福度は日本よりはるかに上だもん。こういうと「だってサウジはお金持ちの国でしょ?」とか勝手な想像でいう人がいるけど、一人当たりのGDPは39位。日本は25位だから、日本人よりサウジ人のほうが貧しいのだ。でもって、幸福度は上。
日本の人って、勝手な想像で、「日本は世界有数の経済大国(嘘、25位だもん)」、「サウジアラビアには自由がない(じゃあ、なんで幸福度が日本より上なんだよ)」、「日本人はすばらしい(自殺大国がそんなに素晴らしい国か?」、「日本は年長者を敬うし、道徳が立派(嘘だろう、電車のシルバーシートの前に少しいるとわかる)」。もっと、現実をみて、幸せになろう。
現実から目をそらしたら、幸せになれません。
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