隣のフォトスタジオのおじさん(といっても私より若い)から、「一眼レフカメラ持ってる?」と訊かれたので、「うんEOS Kiss」持ってると答えると、、「じゃあ、仕事手伝って」。
は?話を聞くと、うちよりもっと立派なリゾートに泊まっている若い男性から、こんどプロポーズをするのでその場の写真(動画)をとってほしい。。。という依頼があったということ。動画はおじさんが撮る、アシスタントはスチールの接写、で? 私はズームのスチールをとってほしい。
そうして、3人でボートに乗り込み沖から立派なリゾートに入る、、みんな黒尽くめ。怪しいテロリストと間違えられてもしかたないけど、さっそくおじさんはロケハン、、沖のボートがわたしたちが乗ってきたもの。
立派なリゾートでは、若い男性から話があった時点で、浜に❤のモニュメントを作って、、、
風が強いのに、バラの花びらを撒いて、、うー、私だったら恥ずかしい、、、
この件は女性には秘密らしいです。でもって、カメラマンも隠れて撮影するように。とのこと、、しかし、このハートのモニュメントがあって、女性には隠し通せるのか?
私「こんな大きなハートがあって、どうして秘密なの」
おじさん「ああ、きっと女性はこのモニュメントは自分用じゃなくて、何かのイベントだと思うさ」
私「いやーー、それはないと思うけど。ところでおじさんはどこにいるの」
お「ハートの直ぐ側」
私「全然隠れてないじゃん、それのどこが秘密なの」
お「女性はきっと自分とは別の何かとおもうさ」
なんかマレーシアというのは、そういう国なのか?まあいいや、深く考えない
いよいよ時間が近づいて、キャンドルに火を入れるけど、強風で なかなか火がつかない
お、来た、、
二人はハートの中に入り、おじさんは直ぐ側で激写中。これでも女性は気が付かないと思っているらしい。まあいい。はっきりいって、まだプロポーズはしてない、、それどころか、女性を残してギターを取りに行った、、一人残される女性、、、あ、、、、まずい。
ハートの中で男性は練習してきたギターを弾き出す。5分ぐらい、、、長い、、長すぎる、、これでは女性から嫌われる可能性も出てきた。おじさんは激写中。おじさん、せっかく直ぐ側にいるんだから、「ギターはいいから次」ぐらい言ってやれよ。女性が可哀想。
私がファインダー越しに見ていると女性の顔に「さっさとせんかい!」と書いてあるのがよくわかる。誰がみても顔に書いてあるのだけど、男性はギターのコードで混乱しているらしく指元ばかりで、女性の顔も見てない、、プロポーズのときに女性の顔も見ずに、ギターに全神経を集中。危ない、、危なすぎる。男性、誠実できっといい人なんだと思う。でも、危機管理については疑問。
しかし、無事、片膝ついてプロポーズ、、見ていたレストランの人も総立ち。そう、ものすごく大勢の面前だったのだ、、
私は、女性の忍耐強さと、羞恥心を弾き飛ばす意思の強さから、よい奥さんになるものと確信しました。
どうぞ末永くお幸せに、、、
、、しかし、おじさんと助手はずっと後を追いかけ、撮影も継続。そのあとプロポーズのシーンを3回ぐらい取り直し。指輪編(オリジナル)、花束編、キス編、抱きかかえ編、、、男性のプロポーズへの妥協の無さがよくわかる。
実は、キャンドルの火が付かず、男性が女性にプロポーズしたときも、直ぐ側でホテルのボーイが一生懸命キャンドルに火をつけていて、写真の中に入り込んで邪魔だった。そうして、二人がハートから立ち去った後も、ボーイは必死でキャンドルに火をつけていた、、おーい、だれか、もう良いよって言ってやってよ。真っ暗になって、誰も居なくなって全部の火がついた、、むなしい。
そして、真っ暗になって、黒尽くめの3人は沖合のボートに乗り込み、帰っていきました、、、めでたし、めでたし。
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