
ほんとうに、半世紀ぶりの母校。木造校舎が鉄筋コンクリートになって、しかも古びて、耐震補修がいたいたしい。
でも、母校。知っている人は校長室の歴代写真のなかの、校長先生の顔だけ。知ったところもあるし、知らないところもある半世紀ぶりの母校。
教育実習は母校にかぎる!
と、強く思います。何回でも言います。これから教育実習をしようという人は、ぜーったい母校がおすすめです。こればっかりは、母校の近くに住んでいるから、わざわざ行かなくても、、とか、子どもの父兄参観で行っているから、べつにいいや、、と思う人でも一緒です。
中学生だった自分への答え合わせ
、、というか、残された思いの成就、、というのかもしれません。
教育実習にくるまでの半世紀。とーっくに自分の中学生時代を忘れてました。先生の名前も顔も、クラスメートも、そこで何をしたか、、とか、断片的な記憶があっても、思い出すときもある、、程度。忘れていることすら忘れて、もう、ほんとうにどうでも良いレベルでした。特に、地元から離れて半世紀ですから、思い出す必要もないぐらい。
でもね、校舎に一歩入ると、それが自分の知らない鉄筋校舎だとしても、思い出が押し寄せてくるものです。教壇に立つ自分なんて、中学生だった私は夢にも思ってなかったでしょうね。中学一年のとき、社会科の教育実習にきた大学生の女性に憧れてました。たぶん、それから私の社会科の力が伸びたんだと思います。
思い出が押し寄せる、、といっても、やっぱり個々のエピソードなんてそんなに覚えてません。ただ、自分が何をしていて、何ものになろうとしていたか、、という漠然としたものの残留エネルギー(?)が残っているような気もします。
ここで3週間、教育実習をするのは、そのときにやり残したこと、やりたかったこと、やり過ぎたこと、中学生なんて不安定で、いろいろと後悔も多いものですが、それを今、ひとつずつ回収していっている気がします。教室にいる、若くて輝いている中学生のみんなに国語を教えることで。あのままでは済まされなかったことを、いま、ようやく済ます、、といったような。
卒業アルバムの私は、なんと幼いことか。でも、今になって ちゃんと整理できた、、って気がします。
これは教育実習の余録だけど、なんと素晴らしいことか。
何度でも言うけど、母校で教育実習をしたほうがいいよ。他でするのとまた違う意味があるものです。
これだけでも、来た甲斐があったと思う。
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